「西院の家」構造見学会のご案内

近年、耐震性能や防火性能、建物内外に対する環境性能も評価されている、土を厚く塗りつけた荒壁。

その下地である竹小舞に囲まれた「透ける」空間は、工事中に一瞬垣間見ることのできる日本建築の下地の美学です。

この度お施主様のご厚意により、構造見学会をさせていただくことになりました。

丹波の大高建築による手刻みの仕事とともに、延20坪と小さい家ながらも壁の中までぎっしり実のある建築の「透ける」空間を是非皆様にも味わっていただきたくご案内申し上げ、お待ち申し上げます。

なお、ご来訪の際は事前に連絡をお願いいたします。

 

日 時:2015年10月4日(日)11:00~16:00

場 所:京都市右京区西院

連絡先:080-5051-5439(中川)

 

構造見学会A4

跳出しベランダ

西院の家

雨に悩まされた9月でしたが、屋根仕舞いを終え、外壁下地などがつけられて、連休明けには竹小舞掻き。滋賀から竹小舞掻きの専門職がやってきます。

この家で外観的に特徴的なのが、60%という厳しい建坪率の中、駐車場確保のために選択した跳出しベランダ。

丁度以前の現場周辺(中山道の軽井沢、追分宿付近)で良く目にしていた形式で、もともとは中山道などの宿場民家において荷継中の荷物が雨に濡れるのを防ぐための工夫とのこと。

その形式をそのまま京都で引用して良いものかともおもいましたが、京都・島原のもと揚屋「きんせ旅館」や河合寛次郎記念館にも跳出しの事例が見られたため、採用することにしました。

ただ、センスの良い大工は構造的にはアクロバティックなことをしつつも、その技を過剰に見せすぎないものだという意見を聞き、そういうことは事例云々以前に大切なことだなと大変納得しました。ここではほどよい緊張感程度が大切かな。

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西院の家

 

西院の家

京都市内、西院の住宅密集地において、新築現場が動き始めました。

新築の設計では初めての荒壁(竹を網状に編んで厚く土をつける)の家となり、大工は丹波、大髙建築の若き高橋親方が、誠実で心あらわれる手刻みの仕事を見せてくれます。

これから屋根が掛かり竹小舞が編まれ大量の土がつけられていく様は、今日の西院の街並みの中ではかなり異端に感じられるかもしれませんが、この先40年後の街並みに少しでも貢献できればと願います。

延20坪と小さい家ながらも、壁の中までぎっしり実のある建物。

とても楽しみです。


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